といたレディースクリニック
掲載日:2023年5月17日
生理の度に、酷い痛みに悩まされたり、イライラや不快感で悩まされていませんか?
実は、婦人科のお悩みで最も多いのが「生理痛」といわれ、女性の8割が生理痛を経験していることが報告されています。痛みなどの症状は個人差があり、違和感だけで日常に支障がない方もいれば、仕事や家事も手がつかないほど重症の方もいます。
生理は毎月やってくるものなので、少しでもうまく付き合っていくために、ここでは生理痛の原因から痛みを和らげる対処法をご紹介します。
そもそも生理とは、赤ちゃんを育てるベッドとして作られた子宮内膜が、妊娠しなかった場合に剥がされて、体外へ血液と一緒に排出されます。この流れは28日周期で繰り返され、この体外へ排出される時に感じる下腹部や腰の痛みを「生理痛」といいます。特に日常生活に支障を与えるほど強い痛みで、下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気など全身症状が伴う生理痛は「月経困難症」と呼ばれています。
この生理痛の原因は、下記の4つが主に挙げられています。
生理中は剥がれた子宮内膜を血液とともに体外へ押し出すために、子宮の収縮を促す「プロスタグランジン」が分泌されます。しかし、この分泌量が多いと必要以上に子宮が収縮し、子宮周辺の充血やうっ血に伴い陣痛のような痛みが生じます。
子宮の出口が狭いと、経血がうまく体外に排出されにくくなることが痛みを感じやすくなります。これは、若い女性や出産経験のない女性に多く見られる原因とされています。この原因の場合は、年齢とともに子宮が成熟すると自然に治ったり、出産を経験すると子宮の出口が広がり生理痛が軽くなるケースもあります。
身体的ストレスの例で代表的なのが、「冷えによる血行不良」です。冷房などで身体を冷やしすぎると、血管を収縮させ血行を悪くし、子宮の筋肉が硬くなります。子宮の筋肉が凝り固まると、収縮性が低下し経血がうまくできなくなるので、プロスタグランジンの分泌量が増加し、結果として生理痛を悪化させます。
また、生活環境の変化や仕事、睡眠不足などの精神的なストレスが生理のタイミングと重なると、さらに痛みが酷くなることもあります。
生理痛は病気が原因で発症している可能性もあります。代表的な病気として、「子宮筋腫」「子宮内膜症」があります。「子宮筋腫」は筋肉組織由来の良性腫瘍で、30歳以上の女性の20~30%に確認されているほど、非常に発生頻度が高い病気です。主な症状は、過多月経、過長月経、月経困難症、不正出血です。 一方「子宮内膜症」は、子宮内膜に似た組織が、子宮内腔以外の腹膜や卵巣、卵管など本来とは違う場所にできてしまう病気です。この病気は20~40代と若い年齢層になりやすく、主な症状は不妊症、月経困難症、骨盤痛などがあります。
腹痛・腰痛 | 「プロスタグランジン」の分泌で過剰に子宮が収縮され、腹痛や骨盤を中心とした痛みが生じる。 |
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吐き気 | 「プロスタグランジン」は、子宮だけでなく胃や腸をも収縮させる作用があるので、胃に不快感を与え、吐き気といった症状を引き起こす。 |
頭痛 | 女性ホルモンの「エストロゲン」が関わっており、エストロゲンが減少すると、血管収縮作用を持つ脳内物質の「セロトニン」も減少してしまい、これにより血管が拡張して頭痛が生じる。 |
情緒不安定 | 「エストロゲン」は、他にも心身をリラックスさせる効果があるが、生理で分泌量が減少することで、イライラや情緒不安定になりやすくなる。 |
貧血 | ホルモンバランスが崩れることで自律神経が乱れ、脳が必要とする酸素が不足する脳貧血が起こることで、めまいや立ち眩みが起こる。 また、生理の経血が多い方は、血液が薄くなる鉄欠乏性貧血の可能性もあり。 |
生理痛の痛みを和らげる効果的な方法を、6つご紹介いたします。どの方法もすぐに始められる方法になりますので、無理のない範囲でぜひ取り入れてみてください。
まず簡単にできる方法としては、生理痛の原因「冷え」を改善するために、身体全体を温めることです。
例えば、冷房のある室内ではひざ掛けや使い捨てカイロを使用するなど、身の回りのアイテムで身体が冷えないように対策をしましょう。特に痛みを感じる下腹部や腰は、重点的に温めると痛みを和らげることができます。 また、入浴はできればシャワーで済ませるのではなく、お湯に浸かって身体の芯から全身を温めてあげましょう。生理中に全身浸かるのは抵抗がある場合は、足湯でも効果があります。41~42度くらいのお湯をバケツなど大きめの容器に入れ、15~20分ほど足を入れるだけで下半身が温まり、冷え性対策になります。
生理中におすすめの飲み物は、ココアやカフェインレスのハーブティーが良いです。ココアには血管を広げて冷えを改善するカカオポリフェノールや、鉄分も多く含まれているので、貧血になりやすい方にも最適です。食べ物であれば、マグロやサバなどEPAが豊富な青魚類が良いとされています。EPAは過剰な子宮の収縮を抑制する働きがあり、生理痛を緩和してくれる効果が期待できます。他にも、エストロゲンと同じ働きをもつイソフラボンが豊富な大豆製品や、血行を促進する生姜もおすすめです。
逆に、身体を冷やす食べ物・飲み物はなるべく控えるようにしましょう。ちなみに、女性が大好きな砂糖がたっぷり使用されたケーキやクッキーも、冷えを誘発する代表的な食べ物です。また、血管収縮作用をもつカフェインも血流を悪化させる原因になるので、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェインを含む飲み物も生理中は控えめにしてください。
おすすめの飲み物 | カフェインレスのハーブティー、ココア、豆乳(※飲む際はホットで) |
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おすすめの食べ物 | 青魚、鶏肉、牛肉、レバー、ナッツ類、ほうれん草、ひじき、昆布、プルーン、大豆食品、生姜 |
生理痛があると、どうしても痛みを庇うために背中を丸めがちな姿勢になりますが、この姿勢はかえって血流が悪くなり、痛みを悪化させてしまう可能性があります。
座る時は、なるべく脚を開いて骨盤を立てる姿勢が良いです。また、寝る時は横向きの姿勢がおすすめで、この時に膝はやや軽く曲げて、身体を少し丸めると楽に感じやすくなります。
生理中は血の巡りを良くする効果をもつ運動を適度に取り入れると良いでしょう。生理痛がひどいとなかなか難しいかもしれませんが、ストレッチや軽いウォーキング・ヨガなど負担の少ない運動を行うことで、冷えやすい生理中の身体を内側から温め、生理痛を和らげる効果が期待できます。運動をすると気持ちも前向きになり、ストレス発散にもなりますので、体調にも気を付けつつ無理のない程度に実践してみてください。
生理痛を和らげるために、ツボ押しやツボ温熱療法を取り入れるのも効果的です。
生理痛に効くとされるツボは、「気海(きかい)」「合谷(ごうこく)」「三陰交(さんいんこう)」「照海(しょうかい)」の4つがあり、このツボを押したり温めたりすると、血行が促進されます。
ツボ押しを行う場合は1センチほどにし、強く押しすぎないように気をつけましょう。
4本指で優しく押す、円を描くようにさすると効果的です。また、ツボを押すのが苦手という方は、カイロや温灸で温める方法もおすすめです。
生理痛が酷い場合は無理して我慢せず、鎮痛薬を利用するのも一つの方法です。鎮痛薬は、痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌を抑え、痛みを和らげる効果があります。ただし、痛みをギリギリ我慢してからの服用だと、プロスタグランジンが大量に分泌された状態で効果が出にくくなるため、必ず痛み始めた時に服用してください。
また、鎮痛薬ほどの即効性はありませんが、生理痛の予防としてサプリメントの服用もおすすめします。サプリメントは栄養機能食品に分類されているため、副作用もなく安心して服用することができます。痛みを和らげる他、精神面も整えてくれたり、美容効果があるのも嬉しいポイントです。サプリメントは毎日継続して飲まないと当然ながら効果が出ませんので、毎日適切な量で服用するようにしましょう。
生理痛によっては、専門の医療機関で受診した方が良い場合もありますので、下記の症状が見られる方は我慢せずに、最寄りの婦人科で受診するようにしましょう。もしかしたら子宮系の病気が潜んでいる可能性もあり、不妊につながるケースもありますので、違和感や気になる点があれば医師に必ず相談するようにしてください。
鎮痛剤 | プロスタグランジンの合成を抑制する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)で、主な薬として「ロキソニン」「ボルタレン」「バファリン」があり、生理痛の痛みを和らげてくれる。 |
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低用量ピル | 服用により、子宮内膜の増殖が抑えられ、同時にプロスタグランジンの分泌も抑制する効果がある。月経前症候群(PMS)や生理不順の改善にも用いられることが多い薬剤。 |
漢方薬 | 自然由来の「生薬」を用いた、副作用の少ない治療法。生理痛がつらい月経困難症の場合は、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」や「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などが処方されることが多い。 |
生理は毎月やってくるものだからこそ、少しでも痛みや不快感を軽減したいもの。生理痛は冷えによる血行不良からくる場合が多いので、冷え性対策や身体を温める運動、生活習慣を取り入れてみましょう。ただし、あまりにも症状がつらい場合は、痛みを我慢せずに鎮痛薬の服用や医療機関での受診をおすすめします。症状によっては、病気が関わって発症している場合もあることから、生理痛でお悩みの方は一度専門医に相談してみても良いかもしれません。
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